記憶の桜 -栄枯幻世-
「原田さん、永倉さんは…?」
「敵の所に突っ込んで行ったのは見えたんだが、それからは分からねぇ…」
原田さんは奥歯を噛み締め、悔しそうにしている。
まさか…。
でも、永倉さんに限って、そんな事は無いだろう。
「あの戦力下に突っ込んで行ったんだ。何があるか、分からねぇよ…」
「そんな…」
原田さんの言葉で私達は永倉さん達の死を覚悟した、刹那――。
「何だ?この通夜みてぇな空気は」