記憶の桜 -栄枯幻世-
この声は永倉さん!?
視線を向けると、永倉さんと島田さんが元気そうに立っていた。
「永倉さん!島田さん!良かった!!」
彼らが無事帰って来てくれた事に、私は涙が出そうになった。
「俺達は無事だが、大半の部下を失っちまった」
永倉さんは拳を握り、悔しそうに俯いた。
組長として隊を率いて、敵陣に突っ込み、隊士を死なせてしまった。
彼にとっては悔やんでも、悔やみきれないのだろう。