記憶の桜 -栄枯幻世-


「姉上…、怪我は…な…い?」


愁は傷口を押さえながら、前のめりに突っ伏す。


「愁っ!!!」


急いで愁に駆け寄り、傷口の具合を見た。


傷は愁の左肩から胸にかけてを斬り裂き、床に真っ赤な鮮血の海を作っている。


私はどうにか止血をしようと試みたが、傷が深いのか、なかなか止まらない。


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