記憶の桜 -栄枯幻世-
幕間 玉響の憩い
――と言ったものの…。
「気持ち悪い…」
そろそろ江戸に着くというのに、私は今になって、船酔いになってしまった。
今まで泣くのに集中していたから、酔わなかったんだ…。
「あっははは!涼ちゃん、今になって船酔いしてるし!」
沖田さん…、そこ爆笑する所じゃないですよ…。
思っていても、口を開いたら吐きそうだから、言えない…。