記憶の桜 -栄枯幻世-


「着いたな。降りるか…」




すると、土方さんは私の前に背を向けた状態で膝を付いた。




「乗れよ」



はい?



「立っているのも辛いんだろ?良いから、乗れ」



気付いてたの…?




私は土方さんの厚意に甘え、彼の背中におぶさった。




「重くないですか?」




「逆に軽いくらいだ。ちゃんと食ってんのか?」




「食べてますよ…」




土方さんは立ち上がると、ゆっくりと歩き出した。





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