記憶の桜 -栄枯幻世-
「つまり、家族の仇を討つ為に花散り鬼になったって言うのか…」
新八は胡坐をかいた膝の上で、拳を握り締めている。
「女が背負うにゃあ、重てぇ荷物だよな」
苦虫を噛み潰したように原田は顔を歪めていた。
「オレらに出来る事って無いのかな?」
歳の近い平助はあいつの力になりたい一心だろうが、難しいだろうな。
あいつは今、誰にも心を開こうとしねぇで、自分の殻に閉じこもってやがる。
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