記憶の桜 -栄枯幻世-
第3章 狂乱に誘われ


墨で黒く塗り潰されたような場所に、私は一人で立っていた。



すると、辺りに白い靄がかかり、人影が現れる。



「尾崎…っ!」



その人影は私が仇としてずっと追っていた尾崎清太郎だった。



私は腰に差していた刀を引き抜くと、奴に向かって、刀を振り下ろした。





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