記憶の桜 -栄枯幻世-



「おい、ちょっと良いか?」



「は…、はい」



障子の向こうから土方さんの声が聞こえ、急いで涙を拭き、上擦った声で返事した。



土方さんは中に入ってくると、私が寝ている布団の横に腰を下ろす。



「手を出せ。治療してやる」



彼に言われるがままに、私は左手を出した。





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