記憶の桜 -栄枯幻世-


「いっ…」


私は浪士に殴られた頬を押さえた。



口の中に鉄の味が広がる。



「我は長州脱藩浪士、尾崎清太郎。女、お前は殺さねぇ。寂しさと哀しみ、憎しみに囚われながら、生きるが良い」



そう言い残すと、浪士―、尾崎はけたたましく笑いながら、去って行った。







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