記憶の桜 -栄枯幻世-


尾崎が去ると、一気に抑えていた何かが溢れてきた。



「父上…、母上…、愁…」



どうして、両親と愁がこんな目に…。



殺されなくてはいけない理由があったの…?



「…っ、ふっ、うあぁあぁぁぁあっ!!!!」


涙が次々と溢れて来る。


ふと、私の視線に両親の仕事道具である鬼の面と刀が映る。



両親は有名な剣舞・日舞の師範をしていた。




それらを取ると、両手で抱きしめた。


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