記憶の桜 -栄枯幻世-
私は近藤さんと一緒に土方さんの部屋にいた。
「何で、あの人は問題ばかり起こすんだ!?総司達まで何やってんだよ!!」
「まあ、落ち着かんか。トシ」
近藤さんが苛立ち彼を宥めるが、苛立ちは治まりそうにない。
「仕方ねぇな。おい、山崎」
「お呼びでしょうか、副長」
土方さんに呼ばれて現れたのは、監察方の山崎烝さんだった。
「お前は京や大坂には詳しいよな?頼みがある」
「はい。何でも仰せ付けください」
彼は山崎さんを自分の傍に呼ぶと、耳元で何かを囁く。
山崎さんは頷くと、部屋を出て行った。
この時、2人が話していた内容を聞かされたのは、しばらく経ってから事だった。