記憶の桜 -栄枯幻世-
「いやいや、大成功だったな」
永倉さんが私の入れてきたお茶を飲みながら、誇らしげに笑っている。
それもそうだ。
壬生浪士組は会津藩から援助を受けているものの、芹沢さんが商家から巻き上げたお金で生活していた時期があった。
その為か、自分達で稼いだお金で生活出来るというのは、とても嬉しい事なのだろう。
「だよな!皆、喜んでたし、これで壬生浪士組の株も少しは上がったよな」
藤堂さんは子供のようにはしゃいでいる。
「平助、あまり跳ね回るな」
そういう斎藤さんも何処か嬉しそうだ。