記憶の桜 -栄枯幻世-
【沖田】


今、笑ったよね…。



あの子が此処に来てから数ヶ月は経つけど、僕があの子のあんな穏やかな顔を見たのは初めてかもしれない。



「どうした?総司」



僕の横に土方さんが立つ。



今回の功労者である彼はいつもに比べて、幾分穏やかのように感じた。



「いえ、あの子、何か変わったような気がして…」



「涼か?そうか?俺にはよく分かんねぇな」



土方さんが気付いていないとは珍しい。



相変わらず、自分の事には鈍いんだから…。



< 94 / 412 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop