笑わんば
新たな家族
寒さに凍える日々が過ぎ、春の暖かさが周りの風景を変えてゆく。
木々の葉に太陽の光が当たり、山一面を緑色に染め始めていく。
体を突き刺さるような風から、体全体を包むかのように風が心地よく感じる。

川瀬は9年前に芸人になりたくて、長崎を旅立ち大阪へとやって来た。
何もかもが初めての世界。関西弁が飛び交う中、ビックな芸人になろうと誓った相方の中川と少しの予算を持って来た。
川瀬の親も中川の親も二人の夢に反対していた。
芸人なんて一握りしか売れない。
売れたとしても、すぐに消えていくよ。というのが親の意見だった。
でも二人は親を必死に説得し、気持ちが通じたのだろう。
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