笑わんば
心矢は川瀬の怒鳴り声に驚き、体をビクッとさせ、ますます黙りこんでしまった。
「す、すまんかったな。」
我にかえったのか、川瀬は反省の顔をみせ、心矢に謝った。
「でも、心矢!人間言葉をはっしないと分からないだろ。なっ?話したい事があったら声に出してくれないか。」
川瀬は先ほどとは変わって、優しく話した。

すると、心矢はすくっと立ち上がり、川瀬の前まで行った。
「は、は、ハンバーグが食べたいです…」

心矢が喋ったのだ。
川瀬の気持ちが伝わったのか、初めて心矢が川瀬に喋ったのだ。
つまり、心矢が川瀬に心を開いたのだ。
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