カナリア鳴く空
受付にいたホテルマンに誠司さんが泊まっている部屋を尋ねると、わたしはそこに向かった。

電話とメール?

別に、しなくてもいいじゃない。

だって、誠司さんのビックリした顔が見てみたいんだもん。

わたしがここにいたら、誠司さんは驚くだろうなあ。

それとも、どうしてきたんだって言って怒るかな?

どちらにしろ、楽しみで仕方がない。

誠司さんが泊まっている部屋の前で、待ち伏せをする。

待ち伏せって、何かドキドキだ。

早くこないかな。

そう思っていたら、足音が聞こえたのと同時に人影が見えた。
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