カナリア鳴く空
ああ、なんて素敵なんだろう。

上から見た誠司さんに、不覚にも見とれそうになった。

流れるようなキレイな黒髪。

前髪がない彼よりも前髪がある彼の方が、実はわたしの好みだったりする。

だって、誠司さんらしいじゃない。

慌てておかしなことを言った彼を、かわいいと思った。

まるで初めてする女の子みたいな反応。

でも、断った。

誠司さんを早く感じたい。

誠司さんと早く繋がりたい。

ただ、それだけ。
< 131 / 209 >

この作品をシェア

pagetop