カナリア鳴く空
「――ッ!」

誠司さんの腕の中で、果てた。

誠司さんの首に腕を回し、彼の頭を引き寄せる。

チュッ…と、私の唇に誠司さんの唇を重ねた。

「――愛してます…」

呟くように言った愛の言葉に、誠司さんが笑った。

「――私も、愛してる…」

誠司さんが愛の言葉を言った。

だんだんと、わたしの意識が遠くなる。

幸せだ、と思った。

誠司さんに抱かれて。

誠司さんに愛されて。

幸せで、仕方がない。

今すぐ、死んでもいいくらいに。
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