カナリア鳴く空
「――いや、何も…」

私は首を横に振って答えた。

気のせいだろうか?

彼を、どこかで見たような気がしたからだ。

一体どこで?

ああ、この店か?

なんて思う私だけど、違うような気もする。

「知り合いを、待たせているんだ。

女性なんだけど…」

そう言った私に、
「ああ、君塚さんですね。

ご案内いたします、こちらです」

ウエイターに案内される。

「どうぞ」

朝香が待っていると言うテーブルについた。
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