カナリア鳴く空
ついた瞬間、ギョッとした。

「――あ、朝香…?」

テーブルに突っ伏している朝香に、私は声をかけた。

突っ伏している彼女の近くには、空いているワインのボトルが1本、2本、3本…。

数えるのがめんどくさくなった。

飲み過ぎもいいところだ。

「――んあっ?」

なんて思っていたら、朝香が顔をあげた。

真っ赤だった。

「なーんだ、あなーたか」

何で伸ばしながら言うんですか?

「優衣……ちゃんから、聞いて」

うっかり呼び捨てで呼びそうになった。
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