カナリア鳴く空
いつもの調子は恐ろしい。

すぐに気づいたからよかったものの、このまま呼んでたらどうなってたことなのだろう?

朝香の怒りに火を注いでしまったかも知れない。

「ああ、優衣が?

へえー」

朝香がボトルをつかんだと思ったら、グラスに注ごうとした。

けど、
「何だ、空か」

空っぽでよかったことに、私はホッと胸をなでおろした。

これ以上飲まれたら、怖い。

「ところで、どうしたの?

何か用事があったんだよね?」

そう聞いた私に、
「ハッピーバースデー!」

…はっ?
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