カナリア鳴く空
誠司さんの指が、躰の1番敏感なところをさわった。

「――誠司さん、やあっ…」

充分なまでに濡れていたそこは、誠司さんの指でゆっくりとかき回される。

「――もっ…ダメ…」

頭の中が真っ白になりかけたその時、
「――ああっ!」

指が離れたと思ったら、誠司さんがわたしの中に入ってきた。

「――優衣…」

誠司さんがわたしの名前を呼んで、わたしの中で動いた。

わたしは、そんな誠司さんの動きを受け止めることに精いっぱいだ。

彼の頭に手を回して引き寄せて、自分からキスをした。

玄関で眠っているママに聞こえないように、声を押さえたんじゃない。

わたしから誠司さんへの愛情表現で、自分から彼の唇にキスをしたのだった。
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