カナリア鳴く空
リビングに灯りがついている。

消し忘れか?

なんて思いながらリビングに顔を出したら、
「――優衣…?」

そこにいたのは、優衣だった。

優衣はソファーのうえで膝を抱え、うずくまっていた。

こんな時間に、優衣は一体何をやっているんだろう。

「優衣、どうした?」

私の声に気づいたと言うように、優衣が顔をあげる。

「誠司さん…」

私の名前を呼んだ優衣の顔色は、怖いものでも見たと言うように悪かった。
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