カナリア鳴く空
「そんな気がしてたの。

あなたたちは愛しあっているんじゃないかって。

あなたが優衣を見る視線と、優衣があなたを見る視線は、父娘のものじゃない。

恋をしている時のものだった」

いつから気づいていたのだろう?

職業柄朝香の鋭い観察力に、脱帽した。

ダテに雑誌記者をやっていないと言うことがよくわかる。

「最初に気づいたのは、お昼に着替えをしに家へ帰った時ね。

寝室のベッドの下に、優衣の下着が落ちてたの。

ゴミ箱を見たら、たくさんのティッシュとそれに包まれた欲の塊のゴム」
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