カナリア鳴く空
さすが朝香だと、私は思った。

「確信したのは、夏の優衣の外泊。

その時優衣は私のケータイに、“友達と旅行に行く”ってメールしてきたんだけどね。

でも優衣は、わざわざそんなことを連絡しない子なの。

私も仕事柄、そんなことに構ってる時間なんてないし。

だから優衣のメールを怪しいと思った。

もしかしたら、あなたのところへ行ったかも知れないって」

淡々と自分の推理を説明する朝香に、
「じゃあ、どうして…」

「えっ?」

「――どうして、今まで何もしなかった?」
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