カナリア鳴く空
「全く、どうせバレないようにするならもう少し頑張りなさいよ。

証拠隠滅とか、いろいろとね」

ううっ…。

確かに1度だけだけど、誠司さんの寝室に下着を忘れたことはあった。

「反対しないの?」

わたしが聞くと、
「当たり前でしょ。

さっきも言った通り、娘の恋を邪魔する訳ないじゃない」

ママの手が離れる。

「誠司さんと幸せになりなさい。

もう無理だって思っても、それはなしだからね」

ママがベッドから腰をあげたと思ったら、部屋を出て行った。
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