カナリア鳴く空
「わたし、甲殻類がダメなんです。

躰と合性があわなくて…」

呟くように答えた優衣に、
「アレルギーなの?」

私は聞いた。

「いいえ」

私の質問に、優衣は首を横に振った。

「子供の頃に、エビにあたったことがあってそれ以来」

「そうなんだ、それは悪かったね。

こんなところ選んじゃって」

申し訳ないと言うように言った私に、
「いえ、いいんです。

ママが幸せなら、わたしはそれで充分ですから」

優衣が朝香に視線を向けると、彼女はまだ談笑中だった。
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