カナリア鳴く空
「そりゃ、取材だったら仕方がないだろ。

しかも相手は大女優とくれば、断る訳にはいかないだろ?」

私は言った。

朝香は仕事の都合で、優衣の卒業式を見ることができない。

「そうね、仕方ないわ」

朝香は私に視線を向けると、
「式の途中、退屈だからって寝ないでね?」
と、念を押すように言った。


3人で朝食をとり、優衣と朝香を送り出す。

送り出した後、私は朝食の後片づけをする。

後片づけを終えると、私は寝室に行った。

3月の太陽が窓から差し込んで、ベッドを照らしている。

今日は4月の中旬並みに暖かい日だと、天気予報で言ってたな。

そんなことを思いながら、クローゼットからジャケットを1枚ひっぱり出した。
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