カナリア鳴く空
去年の冬にクリスマス公演で着た、ベージュ色のジャケットである。

久しぶりにそでを通したら、
「似合わないな」

私は苦笑いをした。

年齢(トシ)をとると言うのは、本当に恐ろしい。

けど、他のジャケットは地味な色ばかり。

グレーとか紺とか黒とか、そんな色ばかりだ。

もう少し明るい色のジャケットを増やした方がいいな。

そんなことを思いながら櫛(クシ)で髪をとかした後、私も家を出た。

車で優衣の学校に向かう。

途中、花屋でピンク色のバラを1本買った。

赤じゃないのは、黙っておくことにしよう。

花を買った後、私は優衣の学校に向かって車を走らせた。


さて、私はうまく保護者に溶け込めているだろうか?

右を見ても左を見ても、保護者ばかり。

当たり前か。
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