カナリア鳴く空
たくさんいる保護者の中、私だけが浮いているような気がするのは気のせいだろうか?

そんなことを思っていたら、卒業式が始まった。

「あっ」

たくさんの生徒の中、私はすぐに彼女を見つけた。

後ろ姿だったけど、優衣だと言うことははっきりわかった。

やっぱり、うずいた。

優衣に対するこの思い。

隠そうと思っても、隠せない。

優衣の後ろ姿を見ただけでも、ドキドキするこの気持ち。

保護者に囲まれている中、私は彼らとは1人違う感情を抱いている。

血の繋がらない娘に恋してるこの気持ちは、うずいてしまう。

隠すことなんて、できない。

私は、彼女――優衣が好きだから。
< 36 / 209 >

この作品をシェア

pagetop