カナリア鳴く空
「あれ?

君塚さん、大丈夫ですか?」

そう聞いた優衣に、
「えっ?」

私は聞き返した。

「顔、紅いです」

優衣の手が伸びてきて、
「ちょっ…」

私の頬に触れる。

この子は、気づいているのだろうか?

それが余計に、お前への思いをエスカレートさせていると言うこと。

それが余計に、私の顔を紅くしていると言うこと。

それが余計に、お前への恋心を自覚せざるを得ないこと。

この子は、全て知っているのだろうか?

そう思っていたら、
「ユーエー!」

優衣の手が離れる。

その手を名残惜しいと思ってしまったことは秘密だ。
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