カナリア鳴く空
「おう、マキにアサコ!」

優衣と同じ制服を着た女子生徒が、私たちに駆け寄ってきた。

私はそらすように、空を見あげる。

顔の熱を冷ますように。

よく晴れた青い空は、一体どこまで続いているのだろう?

そんなとんちんかんなことを思った。

見あげた後、優衣に視線を戻す。

女子高生特有のテンションで、キャーキャー言いながら3人は話をしていた。

私は、完全に場違いだな。

ついて行くのは、無理だと思った。

「あれ?」

マキと言う子が、私に気づいた。
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