カナリア鳴く空
「エヘヘ、いたんだ」

無邪気に、優衣が笑った。

それに対し、私はときめいてしまった。

「こう見えてもね、アラフォーなの」

そう言った優衣に、
「えーっ、ウソー!?」

「全ッ然見えない!

うちのオトンと取り替えてー!」

彼女たちはまた騒ぎ始めた。

ついて行けない…。

今後無理して若作りをしないことを、私は誓った。

「それはダメ、わたしのだもん」

一瞬耳を疑った私だが、すぐに気を取り直す。

私は、優衣の父親。

簡単にでしゃばらない方が身のためだ。
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