カナリア鳴く空
「じゃ、わたしはお父様とお約束がありますので」

そう言った優衣に、
「えっ、この後の卒業パーティーは?」

マキが聞いてきた。

「ごめん、パスする。

じゃあまた」

優衣にやや引きずられる形で、学校を後にした。


制服姿の優衣を乗せ、車を走らせる。

「この後、お昼行くか?

私からの卒業祝いとして。

パスタがおいしい店を知ってるんだ」

助手席の優衣に私は話しかけた。

「パスタ!?

私大好きです!」

手をたたいて無邪気に喜ぶ優衣に、私は笑いそうになる。

でも、
「あっ…」
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