カナリア鳴く空
優衣が何かに気づいた。

「どうした…」

何気なく視線を向けた私は、驚いた。

「――朝香?」

目の前にいて、歩いているのは朝香だったからだ。

でも、
「あの人、誰なんですか…?」

優衣が疑問に思うのも、無理はない。

彼女は、私とはいくらか年下の男と一緒だったのだから。

一緒なら、まだいい。

その男と、腕を組んでいる。

朝香…。

隣にいる彼は、一体誰なんだ?

何故、彼と腕を組んでいるんだ?

これ以上見るのが苦しくて、アクセルを踏んだ。
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