カナリア鳴く空
寝室に行って着替え、うがい手洗いを済ませた後、リビングに顔出した。

すでに夕飯の用意が整えられていた。

「食べましょうか?」

優衣がテーブルのうえに大皿に入っている肉じゃがを置いた。

「朝香は?」

そこに朝香の姿がいないことに気づき、私は思わず優衣に尋ねた。

「ママ、ですか?

今日も遅いみたいです」

そう言った優衣に
「今日も?」

私は思わず聞き返した。

「最近、ママは仕事が忙しいみたいで帰るのが遅いんです」

優衣が椅子に座った。

「そうか」

私も椅子に腰を下ろした。
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