カナリア鳴く空
それから2年ほど交際して、結婚に至ったと言う訳である。

「――ただ、1つあるんだ」

ある問題を除いては。

「何か、あるんですか?」

佐々木が聞いた。

「朝香には、子供がいるんだ。

前の旦那との間にできた女の子が1人」

問題の意味を説明した私に、
「はあ…」

佐々木は困ったと言うように息を吐いた。

私は初婚だが、朝香は2回目の結婚だ。

前の夫とは死に別れた――つまり、彼女は未亡人なのだ。

「高校生なんだ、その子」

私は言った。

「会ったことないんですか?」

そう聞いた佐々木に、
「実は1度も。

話だけは聞いてたけど」

私は答えた。

娘の話は朝香の方から詳しく聞いていたけど、実は1度も会ったことがない。

すぐにひかえている結婚式で、初めて会う。
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