カナリア鳴く空
「優衣ちゃんは料理が上手だね」

そう言った私に、
「ママが仕事でいないから、料理はわたしの担当なんです」

優衣が答えた。

「へえ、そうなんだ。

だから、こんなにもおいしいんだね」

そう言った私に、優衣が恥ずかしそうに顔を赤らめた。

それにも、私はときめいてしまう。

ああ、重症だ。

優衣の仕草にも。

優衣の表情にも。

優衣の言葉にも。

全てが全て、ときめいてしまう。

あきらめるなんて、無理だ。

優衣への思いを断ち切るなんて、できない。

改めて、思った。
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