カナリア鳴く空
夕飯の後、私はソファーに座ってぼんやりしていた。

テレビはつけていない。

聞こえるのは、皿を洗う音。

蛇口から流れる水。

食器同士がこすれあう音。

それらの音を出しているのは、他でもない。

優衣だ。

チラリと、私は優衣を盗み見た。

手なれたように皿洗いをする彼女。

それだけでもときめいてしまう私は、もはや変態だ。

優衣からそらすように、違うところに視線を向ける。

「んっ?」

目があったのは、1枚の絵画だった。
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