カナリア鳴く空
夕日の絵だった。

繊細で、大胆なデッサン。

絵画の下にある名前を見てみると、優衣だった。

もっとよく見ようと、私はソファーから腰をあげた。

近くまで行き、絵画を観察する。

そう言えば、優衣は美大生だったな。

なんて思いながら絵画を見つめていたら、
「もっと見てみますか?」

隣に、スケッチブックを手にした優衣が微笑んでいた。

優衣がスケッチブックを私に差し出す。

「ありがとう」

私は受け取ると、ページを開いた。

優衣独特のデッサンで描かれた世界が広がっていた。
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