カナリア鳴く空
そこにあったのは、私の顔。

昨日の私だろうか?

熱があると言うように真っ赤にさせている私の顔。

鉛筆で描かれただけの白黒だが、それだけで充分わかった。

優衣の目から見た私の顔。

『照れた顔の君塚さん、よかったです』

下の隅の方に、優衣の字でそう書いてあった。

「――全く…」

思わず、私は笑ってしまった。

優衣は、何を思って私を描いたのだろうか。

その中に、私に対する思いがあっただろうか。

“男”としての。

そんなもの、彼女が思う訳ないな。

私は、父親なのだから。
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