カナリア鳴く空
「その子が私をどう思うかなんだ」

息を吐きながら言った私に、
「若いお父さんだなって思うんじゃないんですか?

君塚さん、年齢のわりにはすごく若いですから。

25歳だってごまかしても疑わないと思いますよ?」

そう言った佐々木に、
「あのな、最近の10代の子知ってるか?

あの子たちからして見れば、30代はおじさんなんだぞ?

40過ぎてるお前はおじいさんだぞ」

私は言った。

「お、おじいさん…。

ひどいな、娘にも言われたことないのに」

こう見えても、佐々木には子供が2人いる。

そんな彼が気の毒に見えたのは、私の気のせいだな。

「でも、君塚さんなら大丈夫ですよ」

佐々木は励ますように言った。

何が大丈夫なのかはわからないが、君のプラス思考過ぎる発想に負けたよ。
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