カナリア鳴く空
わたしと目があったとたん、彼の顔が真っ赤になった。

まるで、ゆでダコかって言うくらいに。

誠司さんも、あんな顔するんだ。

意外な彼の一面に、ドキッとわたしの心臓が鳴る。

そして、そんな彼にひかれている自分がいる。

彼の意外な一面を忘れたくなくて、わたしは手を動かした。

もちろん、描くのは誠司さん。

照れていると言うように顔を真っ赤にした彼。

忘れたくないから、描く。

そして、もっと知りたいと思いながら。

ママよりも、誰よりも、あなたを知りたい。

もっと知りたい。

そう、願いながら。
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