カナリア鳴く空
この気持ちにケリをつけようと、私は決意した。

優衣を女として思っているこの気持ちに、決着をつけようと。

そうすれば、私もあきらめることができるから。

優衣を、娘として思えるから。


「なあ、優衣ちゃん」

いつものように夕食を終え、皿洗いをしている彼女に、私は声をかけた。

「何ですか?」

優衣が皿洗いをしながら聞いてきた。

「その優衣ちゃんは…私のこと、どう思ってるんだ?」

私は聞いた。

ちゃんと、自然に言えただろうか?

不自然に思われなかっただろうか?
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