カナリア鳴く空
「君塚さん――誠司さんをお父さんだって思ってるのは、ウソです」

優衣が、私を見つめる。

「あなたを父親だなんて、思ったことはありません」

優衣が言った。

「あなたを見たその日から、1人の男として思ってました。

あなたが父親になった時だって、あなたを男として思ってました。

父親だなんて、思ってません。

1人の男として、あなたを愛してたのですから…」

優衣が、泣く。

初めて聞いた、優衣の気持ち。

優衣も一緒だった。

私と、同じ気持ちだった。

「――一緒だよ…」
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