カナリア鳴く空
「もう、どうしたんですか?

控え室についてもずーっと固まっちゃって!」

「…ああ、すまない」

困ったと言うように怒る佐々木に、私は苦笑いをした。

「早く入りましょう。

皆さんお待ちですよ」

佐々木が私の代わりにドアを開けた。

「どうも」

彼にお礼を言うと、私は控え室の中に入った。

優衣が私の躰の中に流した毒は、思わぬところで副作用を起こす。

まるで、自分以外の人のことを考えさせたくないと言うように。

副作用に苦しんでいる私は、どうすればいい?

早く帰って、お前に会いたいと思ってるんだ――。
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