カナリア鳴く空
「じゃあ、また明日な」
「ゆっくりお休みしてください」
控え室の前で佐々木と別れた。
部屋に向かって廊下を歩いていたら、懐かしい人物が1人いた。
「大森さん」
声をかけたら、彼――トロンボーン奏者の大森雅彦(オオモリマサヒコ)が私の方を向いた。
「君塚さん、お久しぶりです」
ニコリと、彼は端正な顔を崩して笑顔を浮かべる。
女だったら一瞬で恋に落ちるその笑顔は、同性である私もドキッとなってしまう。
そっちに行く気はないけど。
そう思っていたら、首筋の跡がうずいた。
相手は男だと言うのに、優衣は嫉妬深いらしい。
「ゆっくりお休みしてください」
控え室の前で佐々木と別れた。
部屋に向かって廊下を歩いていたら、懐かしい人物が1人いた。
「大森さん」
声をかけたら、彼――トロンボーン奏者の大森雅彦(オオモリマサヒコ)が私の方を向いた。
「君塚さん、お久しぶりです」
ニコリと、彼は端正な顔を崩して笑顔を浮かべる。
女だったら一瞬で恋に落ちるその笑顔は、同性である私もドキッとなってしまう。
そっちに行く気はないけど。
そう思っていたら、首筋の跡がうずいた。
相手は男だと言うのに、優衣は嫉妬深いらしい。