学年トップ×学年最下位

「だって、この子が…赤沼くんの悪口を言ってたからぁ…」

「ふーん」


嘘ばっかり
全部見てたっつーの

俺は、女子の腕を離して壱子に近づく


「…大丈夫か?」

「……イタイ」


小さな声で壱子に話かける

すると、俺よりも小さい声で壱子は足首を触りながら言った

どうやら、足を捻ってしまったらしい

とりあえず、保健室に連れていかなきゃな


「よっ…と」

「っ!!?」

「あ、赤沼くん?!」


俺が壱子を姫抱きにすると、壱子は声にならない悲鳴をあげ、知らない女子は驚いた


「あのさ」


驚く二人を無視して、俺は知らない女子に向かって口を開く


「次、俺の壱子にこんなことしたら許さないから。あと、馬鹿はお前の方だから」


それだけ告げると、固まってしまった知らない女子を置いて、壱子を抱えて保健室へと向かった

< 48 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop