レッスン ~甘い恋の手ほどき~
きっと、ワンコールくらいしか鳴らせなかった電話に、気がついてくれたんだ――。
ふわっと掛けられた彼の背広。
足首に巻きついたままになっていた下着を、慌ててスカートの下に隠す。
今頃になって、修二さんに殴られた頬がジンジンする。
勝手に涙がこぼれていって、彼の背広にポタポタとシミを作っていく。
「君のしていることは、犯罪だ」
「違う。華帆は俺の女だ。そうだろ、華帆?」
修二さんが私の方に顔を向けながらそう言ったとき、震えてしまった。
怖い。
見つめられるだけで――。
息が詰まってしまいそう。