レッスン ~甘い恋の手ほどき~

きっと、ワンコールくらいしか鳴らせなかった電話に、気がついてくれたんだ――。


ふわっと掛けられた彼の背広。
足首に巻きついたままになっていた下着を、慌ててスカートの下に隠す。


今頃になって、修二さんに殴られた頬がジンジンする。
勝手に涙がこぼれていって、彼の背広にポタポタとシミを作っていく。



「君のしていることは、犯罪だ」

「違う。華帆は俺の女だ。そうだろ、華帆?」



修二さんが私の方に顔を向けながらそう言ったとき、震えてしまった。

怖い。
見つめられるだけで――。
息が詰まってしまいそう。







< 109 / 253 >

この作品をシェア

pagetop