レッスン ~甘い恋の手ほどき~

「どうして……私なんて?」


彼ならきっと、いくらだってふさわしい女性がいるというのに。

実際、素敵な彼女がいるっていう噂もあった。



私みたいに小さくて、特別、特徴もなくて……。

満足に、セックスすらできない女なんて――。




「彼女とは別れたんだ。俺、華帆の笑顔にいつも癒されているんだよ」



彼に初めて名前を呼ばれたとき、全身に鳥肌が立ってしまった。


確かに、彼の事は、素敵な人だとは思っていたけれど、恋愛することに臆病になっていた私は、正直言って、なんの感情も持ったことはなかった。



「華帆、俺じゃダメ? 華帆が好きなんだ」


そう言いながら、ゆっくり近づいてきた彼を、拒否することができない自分がいた。

こんな私を、好きだと言ってくれる彼を……。



< 11 / 253 >

この作品をシェア

pagetop