レッスン ~甘い恋の手ほどき~
「どうして……私なんて?」
彼ならきっと、いくらだってふさわしい女性がいるというのに。
実際、素敵な彼女がいるっていう噂もあった。
私みたいに小さくて、特別、特徴もなくて……。
満足に、セックスすらできない女なんて――。
「彼女とは別れたんだ。俺、華帆の笑顔にいつも癒されているんだよ」
彼に初めて名前を呼ばれたとき、全身に鳥肌が立ってしまった。
確かに、彼の事は、素敵な人だとは思っていたけれど、恋愛することに臆病になっていた私は、正直言って、なんの感情も持ったことはなかった。
「華帆、俺じゃダメ? 華帆が好きなんだ」
そう言いながら、ゆっくり近づいてきた彼を、拒否することができない自分がいた。
こんな私を、好きだと言ってくれる彼を……。